2022年8月よりサービス開始したダダサバイバー。
ヴァンパイアサバイバーを知っている方なら「似ている、類似している」と感じますよね。
しかし、スマホアプリ市場を見てみるとパクリであるダダサバイバーは成功し、スマホ版を出したヴァンパイアサバイバーはランキングで下降気味になりました。
そんなダダサバイバー、パクリから成功したゲームアプリですが、なぜスマホで人気を得たのでしょうか?
(個人的な見解ですので、そういう考えの人もいるのだなと思って読んでみてください。)
ダダサバイバーとはどんなゲームなのか?
人気を模索するためにも、ダダサバイバーとはどんなゲームなのか?しっかり理解しないといけません。
ダダサバイバーは、ヴァンパイアサバイバー系のゲームアプリで
- 最大15分のスピード感ある戦闘
- 戦闘中にレベルが上がるとスキルを選択し、攻撃手段やバフ効果を付与する
- メリハリを出すためにステージにボス戦が用意されている
- キャラクター育成要素、装備の育成要素がある
ローグライクの様にスキルはそのステージのみに適用され、ステージ毎にビルドが楽しめるゲーム性に、武器や装備の能力を使って様々な組み合わせが楽しめます。
パクリから成功へ、ダダサバイバーの躍進
ヴァンパイアサバイバーの内容をほぼパクってスマホに登場したダダサバイバー。
しかし「パクったから成功した」と短絡的に考えるのは少しおこがましいと感じられます。
ダダサバイバーが成功のレールに乗れた理由は
- サービス開始のタイミング
- ゲーム性の需要と供給
- 他作品の試行錯誤
が語られるでしょう。
ダダサバにとって有利に導いた配信タイミング
ダダサバイバーが配信されたのは2022年8月11日、夏休み真っ只中のシーズン。
一番の理由はスマホアプリにおける配信タイミングががっちり合っていたと考えられます。
ダダサバイバーが出る前の3~4年前、多くのユーザーが熱中したゲームがPUBGモバイルを筆頭にしたバトロワゲームです。
100人のプレイヤーが1位を争い、フィールドで武器を手に入れて戦うバトルロイヤルゲーム。
1位になる喜びや最大4人パーティで挑める協力性から、友達を誘って遊んだり一人で頂点を目指したり充実したゲームとなっていました。
その他に荒野行動、フォートナイト、2022年にはApexモバイル等のバトルロイヤルゲームのラインナップが豊富になっていました。
しかし、4年もすればバトルロイヤル文化も流行に陰りが見え、Apexモバイルは1年も待たずにサービス終了を発表、PUBG等の作品もランキング下位になり、ユーザーからの「飽き」が見え隠れしています。
スマホゲームが爆発的に売れたパズル&ドラゴンから、PUBGモバイルまで様々なゲームジャンルが流行を担っていました。
そこで登場したダダサバイバー。
スマホに最適化されたUI、15分ながらスピード感のある戦闘にトライアンドエラーなゲーム性に多くのユーザーがインストールしプレイしたでしょう。
PUBG等のバトルロイヤルゲームが飽和し、スマホゲーム全体で似たようなゲームが多くなったタイミングに、サービスを開始した、紛れもなく配信タイミングが成功への道に導いた理由の一つと言えます。
ゲーム性の認知度:需要と供給
ダダサバイバーが配信される前から、サバイバー系のゲームアプリは配信されていました。
代表的なのがMofishが配信するスーパーウィザードです。
配信日は2022年1月、タイミングは悪くありません。
しかし、人気が出たかというと、ランキングで見ることもなくなり、現在は陰りが見えています。
その理由に、スマホユーザーがまだスマホでサバイバーを求めていなかった事が挙げられます。
PC版のヴァンパイアサバイバーの配信日は2021年3月、正式リリースは2022年10月。
テスト版でもそれなりに楽しめる、ステージ追加やアップデートもあったことから「スマホでサバイバー系ゲーム笑」という考えがあったかもしれません。
また、スマホユーザー自体もサバイバー系の認知度が低かったことも考えられます。
その理由から、需要と供給がまだ出来上がっていなかったと言えます。
スーパーウィザード自体、面白いゲームなので一度遊んでみるのもいいでしょう。
他作品の試行錯誤による経験のフィードバック
ダダサバイバーを運営先はHABBYという会社です。
HABBYと言えば、アーチャー伝説やポンボール等ヒット作品を出している会社です。
ダダサバイバーを出す前にHABBYから配信されたゲームアプリがあります。
それがキンジャRUNです。
キンジャRUNはテンプルランのような前に移動しながら、シューティング要素を取り入れたゲームアプリです。
一時的な人気を博したゲームですが、バランスが崩壊するレベルのアップデート等の影響で、今では見る影もありません。
しかし、キンジャRUNから得たシューティング関連の経験やデータは、ダダサバイバーのコンテンツ力に大きく貢献する形になっていると考えられます。
HABBYの開発元GORILLA STUDIOはダダサバイバー及びキンジャRUNを手掛けています。
キンジャRUNからの失敗をフィードバックしてダダサバイバーに反映している可能性は多いにあります。
その背景から、キンジャRUNの経験がなければダダサバイバーの成功は違った形になっていたかもしれません。
もっとも、ダダサバイバーはアーチャー伝説よりのコンテンツ構成が行われている為、キンジャRUNの経験が糧になっているかは…ですが。
スマホ版ヴァンパイアサバイバーはなぜ流行らないのか?
2022年10月にスマホ版のヴァンパイアサバイバーがサービス開始されました。
これはサバイバー系ゲームの中で大きなニュースとなり、SNSでは
- ダダサバイバーはオワコン
- パクリのダダサバイバーはアンインストールした
- ダダサバイバーさよなら
といった、ダダサバイバーが終わりが始まるのでは?と思われるような内容ばかりで、「やはり本家には勝てないのか?」と感じさせられたものです。
しかし、中身を開けてみると、はじめは人気だったヴァンパイアサバイバーも画像のようにアクションランキング39位、ダダサバイバーが相変わらず1位と大きな差を広げてしまう結果となりました。
なぜ本家元であるヴァンパイアサバイバーがダダサバイバーに負けてしまったのか?大きな理由は
- スマホにおけるゲーム性の最適化
- ユーザーの欲求の抑制
- コンテンツの多様性
と考えられます。
スマホに最適化されたゲーム性
ヴァンパイアサバイバーは、PC版を移植してスマホに出しているゲームアプリです。
その為、スマホに最適化されているか?と言われたらそうでもなく、
- 基本30分戦闘を行う
- ダメージを受けた時が画面以外のインプットがない
となっています。
スマホで考えれば30分も戦闘するのは非常に長いと感じます。
PUBGモバイルですら、家でじっくり遊ぶゲームだったので出先でプレイする環境を整えるのは難しかった。
ダダサバイバーは15分までなので、出先でもステージ攻略がしやすく、ダダサバイバーではダメージを受けた際にスマホが振動する為、ダメージを受けていると感じやすくなっています。
ダダサバ、ヴァンサバ共にプレイヤーがモンスターのラッシュで確認しにくくなるゲームです。
そこで目だけのインプット情報だけだと、何がどうなっているのかわからなくなります。
ダダサバイバーが振動機能を入れたのはスマホに最適化している、キンジャRUNの経験が生きていると言えます。
ユーザーの欲求の抑制
ヴァンパイアサバイバーがスマホ市場で下降気味になっている一番の理由はこれでしょう。
ヴァンパイアサバイバーにはスタミナ制度がありません。
ユーザーがやりたい時にやりたいだけゲームを遊ぶ事ができます。
しかし、逆に言えばコンテンツの枯渇が速いことに繋がります。
実際に、SNSでヴァンパイアサバイバーを調べると「2~3日で飽きる」といった内容が多く、ユーザーの欲求を抑制することができず、飽きてしまっているパターンに入っていると考えられます。
ダダサバイバーの場合、スタミナ制度を取り入れられています。
スタミナ制自体、悪の元凶です。
しかし、ダダサバイバーには良い方向に向いていると思います。
スタミナがユーザーを抑制し、毎日持続的にプレイしてもらえるような流れを組む事ができています。
デイリーミッションや日替わりミッション等、毎日ログインしてもらえるようなコンテンツの強化も努められています。
もっとも、廃課金をしている人はダダサバイバーでヴァンパイアサバイバーと同じ状況になっていますが、廃課金しない限りその境地に入るのは難しい。
欲求の抑制、持続性がスマホアプリには必要で、ヴァンパイアサバイバーは無料でガンガン遊べる事がデメリットにつながったと考えられます。
(まとめ)ダダサバイバーの人気が出たのは偶然ではない
ダダサバイバーがパクリであるにも関わらず、人気のゲームなった理由や背景をお伝えしてきました。
人気が出たのは偶然ではなく、スマホに最適化したり配信タイミング、何よりサバイバー系の認知度とヴァンパイアサバイバーという重鎮がスマホに最適化できなかった事が大きな要因だと考えられます。
実際、ダダサバイバーは配信後1ヶ月で1500万ドルを売り上げた実力もあります。
4年後はどうなっているかわかりませんが、今後のダダサバイバーの動向が気になりますね。